みなさんは『Genesis Framework(ジェネシス・フレームワーク)』 というWordPressテーマの名前をご存知でしょうか?
世界中に20万人近いユーザーを持ち、世界最強のSEOテーマと言われることもあるWordPressテーマです。
日本ではほとんど名前が知られていませんが、コンテンツマーケティングという言葉を生み出したとされる『copyblogger』を親会社に持ち、バズ部という有名サイトでずっと使われてきたテーマでもあります。
今回の記事では、Genesis Frameworkとは一体どのようなテーマなのか?賢威などの日本の有名テーマとの違いは何なのか?そしてなぜGenesisは高い評価を受けるのか?という点について掘り下げてみたいと思います。
(※ 2020年3月現在、バズ部はバズ部オリジナルのテーマ『Xeory』に変更)
目次
乗用車をぶっちぎりのスーパーカーに変身させる
Genesis公式サイトによれば、WordPressサイトを車に例えて
WordPressがエンジン、Genesis Frameworkがボディ、そしてGenesis子テーマが外装
と言っています。言い換えれば、
・WordPress全体の機能を強化するものがGenesis Framework
・その強化されたウェブサイトの見た目を整えるのがGenesis子テーマ
と言えます。

Genesisを開発するStudioPress社は、プロモーションの際にアメリカの会社らしいこんな例えを使います。
車に乗る人はスーパーカーや高級セダン、流行りの新車、エコカーなど人それぞれ理想の車がありますよね。
でも本当に満足できる車に乗れる人は、そう多くありません。みんなどこかで妥協しています。
少し想像してみてください。
非常に優れた機能や操作性、安全性を持ち、一瞬でスーパーカーや流行りの新車に変身する、そんな車があったらどうでしょう。もし強固なセキュリティを持ち、検索エンジンに最適化され、非常に優れた拡張性で、好きなようにパーツを取り外しできるテーマがあったらどうでしょう?
そんな夢を実現するのがGenesis Frameworkなのです。
GenesisはWordPressに圧倒的なパワーを与え、他の車を一気に抜き去るスーパーカーに変身させるテーマなのです。
マーケティングやアフィリエイトの世界では、検索結果で上位表示できるかどうかがとても重要です。狙ったキーワードの順位が上がった・下がったに一喜一憂する検索エンジン対策(SEO)の世界で、Genesisは圧倒的な強さを誇るのです。
Genesisフレームワークの強さの秘訣
1 最新SEO技術に対応している
Genesis の大きな強みが、マイクロデータ(構造化データ)をはじめとする最新SEOに対応しているという点です。
そこで今回下のようなデモサイトを作り、日本で最も評価が高いSEOテーマと言える『賢威7』とGenesisで、Googleに伝わる構造化データの比較をしてみました。
※ どちらのテーマも、トップページに抜粋記事を10件ずつ表示させて比較しました。

最初に、下の画像はGoogleから見た賢威7の構造化データです。

賢威7の場合、ウェブサイトの名前やディスクリプション、メインヘッダー用の画像が構造化データとしてGoogleに伝わることがわかります。一方、トップページの記事タイトルや本文の抜粋など、記事それぞれの情報は構造化データとして伝わっていません。
賢威7にバージョンアップした際に、賢威もマイクロデータに対応したことが話題になりました。それでも一部のみの対応にとどまっています。
一方、同じ条件でGenesisを使った場合は下の画像のようになりました。テーマによってGoogleに伝えられる情報が違うことは一目瞭然です。


Genesisのテーマ設定や使用するGenesis子テーマなどで多少変わりますが、Genesisの場合はWPSideBarやWPHeaderなど、様々な情報が構造化データとしてGoogleに伝わることがわかります。
そして『CreativeWork(11)』というタブを展開すると、見出しや記事の投稿日、本文の抜粋、著者などが表示されています。まさにユーザーが見る情報と同じ情報が構造化データとしてGoogleに伝わっています。
2 世界最高レベルのセキュリティ
Genesis を開発するStudioPress社は、SEO以上にセキュリティの強さをGenesisの強みとして強調することがあります。
それもWordPress本体のリード開発者とともに、セキュリティ対策に非常に力を入れているからです。そのかいあってGenesisはセキュリティに強いテーマとして評価されています。
セキュリティ対策のプラグインはあっても、セキュリティに強いというテーマは、そう多くないのではないでしょうか。テーマ自体にきちんとしたセキュリティ対策を施すことは、それだけ難しいことなのです。
過去のデータになりますが、WordPressのセキュリティを専門に扱うWPWhiteSecurity.comによると、2012年は17万のWordPressサイトがハッキングの被害に遭い、ハッキングの被害に遭ったサイトの29%はテーマが原因によるものでした。
私がよく耳にする攻撃方法は、プログラムによって手当たり次第にウェブサイトを攻撃し、返ってきたエラー情報などを元に処理を振り分け、更に別の方法で攻撃をする方法です。つまり、ハッキングの被害に遭うのは大規模なサイトや個人情報を扱うサイトだけではないのです。
3 様々なジャンルのエキスパートが開発に参加している
Genesisの強さの秘訣として忘れてはならないのが、マーケティングやセキュリティなど様々なジャンルのスタッフがGenesisの開発に携わっていることです。
Genesisの開発者たちはBest Developers in the Worldと言われる世界最高峰のエンジニアです。Genesisの高い信頼性を考えると、それも当然のことかもしれません。
そして現在、Genesis開発元のStudioPress社は、『コンテンツマーケティング』という言葉を生み出したと言われるCopyblogger社の傘下にあります。つまり、GenesisはCopybloggerのノウハウを生かして開発されているため、コンテンツマーケティングと非常に相性が良いテーマでもあるのです。
『SEOはウェブサイトの内部構造が全てではない。様々な要因が絡んで検索順位が決まる』と言われます。
ウェブサイトが検索エンジンの上位に表示され、そこからどうやってコンバージョンに結びつけるのか、安全に運用するにはどうすればいいのかということを、エンジニアだけの目線ではなく、様々なエキスパートの目線で考えていることがGenesisの大きな強みだと言えます。
Genesis開発元が言うように、
それぞれの分野に特化した超一流メカニックを引き連れ、あなたの車をスーパーカーに変えてくれるのがGenesisです。
という表現もあながち間違いではありません。
4 常に最新技術を取り込める機能と拡張性
意外と見過ごされがちな点ですが、管理画面から1クリックで親テーマをアップデート出来る機能もGenesisの大きな強みです。
Genesis は頻繁にSEOやセキュリティのアップデートを行っているため、常に最新のSEO技術やセキュリティ対策を、ワンクリックで取り入れることができるのです。
つい先日行われたGenesis2.2へのアップデートでは、アクセシビリティ(※)やSchema(マイクロデータ)の品質向上が行われました。バージョン2.2へのアップデートのように、セキュリティだけでなくSEOやアクセシビリティについてもサポートし続けてくれるのです。

(※)アクセシビリティはrole=”complementary”などのrole属性やスキップリンクのような、主に障害がある方に配慮した機能です。これもマイクロデータ同様、他のテーマではあまり対応が進んでいません。
有料テーマ・無料テーマに関わらず、多くのテーマでは子テーマからカスタマイズ出来ることがかなり限定されています。そのため親テーマをカスタマイズすることになり、結果的に親テーマをアップデートしにくくなってしまいます。
その点、Genesisの場合は子テーマから非常の多くのカスタマイズができるため、Genesis親テーマをカスタマイズすることなく、常にピカピカの新車のような状態を保つことが出来るのです。
Genesisがここまで高い評価を受ける理由
それではなぜ、Genesisはここまで高い評価を受けるのでしょうか?
理由を探るべく、知り合いのGenesisユーザーに『なぜGenesisを使っているのか』聞いてみました。
「SEOに強いから」、「コミュニティが充実しているから」という理由から、「Genesisはコードがビューティフルだから」、「最後にgenesis();
と書くのが好きだから」という理由が返ってきました。
海外ユーザーらしい様々な答えが返ってきたのですが、やはりGenesisが高い評価を受ける一番の理由は、その総合力です。
構造化データのように、Genesisは一つ一つの要素を一歩上のレベルに押し上げてくれます。そしてその差が積もり積もって、圧倒的な総合力を手に入れているのです。
- SEOに強い
- セキュリティに強い
- パフォーマンスが高速
- HTML5やレスポンシブに対応している
- サポートやアップデートが無制限
- 管理画面からアップデート出来る
- 拡張性が高い
- Genesis専用のウィジェットやプラグイン、サービスが豊富
- 様々な分野のエキスパートによって開発されている
- 他の人のサイト(クライアントサイト)をどれだけ作っても追加料金が要らない
- 67あるGenesis子テーマを全て無料で使うことが出来る(Pro版 のみ。2019年10月現在)
ライティングが得意な人を除き、コンテンツのみの力でライバルサイトを上回るのは至難の技です。ライティングのスキル以外にも、時間や知識への投資が欠かせません。
だからこそ、時間や知識に投資して作り上げたコンテンツにレバレッジを効かせて、ライバルサイトを追い抜くGenesisフレームワークの総合力が、高い評価を受ける大きな理由なのでしょう。
Genesisにデメリットはあるのか?
当サイトスタッフはGenesisが最も優れたテーマだと思ってやみません。
ただ、そんな私たちでも、Genesisには次のようなデメリットがあると考えています。
- 公式・非公式問わず、Genesis関連のページは英語で書かれたものがほとんど
- Genesisサイトをがっつりカスタマイズする場合、アクションフックやフィルターフックなどの使い方を覚える必要がある
上で挙げたデメリットは、場合によっては問題になると思います。Genesisカスタマイズ専用プラグインも公開されていますが、そういったプラグインを利用しにくい案件もあることだと思います。
ひとつ言えるのは、Genesisフレームワークは、完璧なテーマではないということです。全ての悩みがGenesisだけで解決されることはないでしょう。
でも、道を切り開く手助けをしてくれるテーマであることに間違いありません。
公式サイトでも会員向けにカスタマイズ情報を公開していますし、私たちもGenesisサイト作りのサポートをしたいと思っています。少し古い情報になりますが、Genesisが初めての方向けの説明 もあります。
最後に
Genesis はまさに海外のウェブ業界を一変させてしまいました。コンテンツマーケティングの世界ではGenesisの一人勝ちと言っても過言ではありません。
私はGenesisというテーマの存在を知った時、まさに衝撃を受けました。バズ部がGenesisを使っていると分かった時も、同じくらいの衝撃を受けました。そしてGenesisを知れば知るほど、Genesisの素晴らしさに魅せられてしまいます。
私たち当サイトスタッフは、遠くない将来、日本でもGenesisの知名度が大きくなっていくと考えています。海外との情報の垣根がなくなっている21世紀で、20万人近いユーザーがいるテーマが無名のままなはずが無いからです。
でも現状はGenesisを知っている人間は多くありません。海外の情報をチェックしている人間や、数十万円のセミナーを受けた、全体で見ればごく一部の人間しかGenesisを知りません。
だからこそ、圧倒的な総合力を持つGenesisユーザーのみが掴めるチャンスがあると思います。そして当サイトを見てくれた方には、そのチャンスを掴んで欲しいと思います。
Genesisサイト制作やカスタマイズのご相談、Genesis購入に当たってのご相談など、気になることはこちらのフォームからお気軽にご連絡下さい。